「親の介護認定、立ち会いできない!」遠距離・仕事で同席できないときの事前対策とメモの提出法
- 家族が同席しないと、親が調査員の前で「見栄を張って『一人で何でもできる』と答えてしまう」ため、軽すぎる判定になるリスク大
- どうしても現地に行けない場合は、「事前の日程変更」「調査当日の電話・オンライン同席」を自治体へ打診する
- 最も効果的な武器は、調査員の手元に直接届く「日常生活の困りごと事前メモ(客観的な頻度・数字入り)」の提出
- 同じメモの控えを「かかりつけ医(主治医意見書)」にも渡しておくことで、判定の二重防壁を作る
1. 立ち会いなしは超危険!親が「見栄を張る」メカニズム
「仕事がどうしても休めない」「新幹線の距離で平日の訪問調査に行けない」――やむを得ず親一人だけで要介護認定の訪問調査を受けさせようとしていませんか?
結論から申し上げますと、家族の立ち会いがない調査は、適正な介護度が出ないリスクが極めて高いです。
・「他人に衰えた姿を見せるのが恥ずかしい、プライドが許さない」
・「子どもにこれ以上迷惑や心配をかけたくない」
・「しっかりしていると思われたい(認知症を認めたくない)」
調査員が「お風呂はご自身で入れますか?」と聞くと、実際には数週間入浴拒否が続いているのに、親は笑顔で「はい、毎日一人で気持ちよく入っていますよ」と答えてしまいます。
調査員はその場での受け答えや動作確認(約1時間)で判定せざるを得ないため、結果として「自立(非該当)」や「要支援1」という実態とかけ離れた軽い結果が出てしまい、必要なデイサービスやショートステイが使えなくなってしまうのです。
2. どうしても現地に行けない場合の「3大回避策」
仕事を休めない・遠距離に住んでいる家族でも、あきらめる必要はありません。以下の3つの方法で立ち会いと同等の効果を得ることができます。
- ① 日程変更の交渉(土日・夕方・有休取得日への調整)
調査員の日程は役所都合で一方的に決まるわけではありません。「家族の立ち会いが必要不可欠」と伝えれば、有休が取れる日程や、委託調査員による夕方・土曜日の訪問枠へ調整してもらえる場合があります。 - ② 「電話・ビデオ通話(オンライン)」でのリアルタイム同席
自治体の介護保険課に事前に相談し、「調査員が実家に到着した際、家族の携帯電話に電話をかけてもらう(スピーカーホン通話)」、または「LINEやZoom等のビデオ通話で繋ぐ」許可を取ります。親の受け答えを聞きながら、「実は昨日も転倒しておりまして…」と横から事実を補足できます。 - ③ 第三者(ケアマネ・地域包括・親族)への代理同席依頼
近隣に住む親族や、すでに相談している地域包括支援センターの担当職員、または契約予定の居宅介護支援事業所のケアマネジャーに代理で立ち会ってもらえないか相談します。
3. 【テンプレート付】調査員を動かす「事前メモ」の書き方
立ち会えない家族にとって、最強の武器となるのが「日常生活の困りごと事前メモ」です。
調査員が知りたいのは家族の感情論ではなく、「具体的な頻度・数字・事故の危険度(客観的事実)」です。A4用紙1〜2枚にまとめて、調査日の前日までに役所の担当課または調査員宛にFAX・郵送・持参します。
| 生活動作・項目 | 親が調査員に言いがちな見栄 | 事前メモに書くべき「客観的事実」の例 |
|---|---|---|
| 歩行・立ち上がり | 「支えがなくても普通に歩けますよ」 | 実際はすり足歩行で、先週部屋の中で2回転倒。夜間トイレに行く際、壁やタンスをつたわないと歩けない。 |
| 入浴・着替え | 「お風呂は毎日入っています」 | 浴槽の縁をまたぐのが怖く、ここ3週間シャワーすら浴びていない。下着の着替えを拒否し、同じ服を1週間着用。 |
| 排泄(トイレ) | 「トイレの失敗なんてありません」 | ズボンの上げ下げが間に合わず週3回失禁。汚れた下着をタンスの奥に隠してしまう。現在リハビリパンツ着用中。 |
| 物忘れ・火の元 | 「頭はしっかりしています」 | 先月、鍋を空焚きしてボヤ寸前になりガスを元栓から止めた。同じ話を5分おきに繰り返し、通帳の場所を毎日探している。 |
4. 「主治医意見書」との二重防壁で適正認定を確実にする
要介護認定の判定(介護認定審査会)は、「認定調査員の調査結果」と「かかりつけ医が書く主治医意見書」の2つの資料を突き合わせて行われます。
実は、親は診察室でも医師に対して見栄を張ります。
調査員に送った「日常生活の困りごとメモ」と全く同じものを、親のかかりつけ医にも受診時や郵送で届けます。「先生、認定意見書を書かれる前に、普段の実家の様子をご一読ください」と渡しておくことで、医師が意見書に「認知症の周辺症状あり」「在宅生活に常時見守り・介助が必要」と力強く記載してくれます。これにより、万が一訪問調査が低めに出ても、審査会で介護度が適正に引き上げられます。
5. 軽すぎる判定が出たときの「リカバリー手順」
もし結果通知書が届いて「要支援1」や「非該当(自立)」など、納得のいかない結果になってしまった場合でも、あきらめる必要はありません。
- 「区分変更申請(くぶんへんこう)」を行う
認定結果が出た直後でも、「状態が悪化した・調査時の状況と実態が著しく異なる」として、いつでも再調査(やり直し)を申請できます。 - 調査票の「特記事項」を開示請求する
市役所の窓口で前回の認定調査票を開示してもらい、調査員が親のどの言動を見て判断したのかを確認します。弱点が分かれば、再調査の際に重点的に証拠を突きつけることができます。
まとめ:離れていても、事前の「事実の共有」で親を守れる
要介護認定は、これからの介護生活で受けられるサービスの量と家族の費用負担を左右する最大の関門です。
現地に行けないからと放置せず、「事前の困りごとメモ提出」と「電話同席」、そして「主治医への情報提供」という手を打っておけば、遠距離や仕事の忙しさを乗り越えて適正な介護度を勝ち取ることができます。ぜひ今日からメモの作成を始めてみてください。

