高額介護サービス費の申請手順と自己負担上限額|知らずに払いすぎているお金を取り戻す方法
この記事のポイント(30秒で把握)
- 1ヶ月の介護保険サービス自己負担額が上限(一般世帯月44,400円、非課税世帯月15,000円〜24,600円)を超えた場合、超えた分が全額払い戻される
- 役所から届く申請書を「最初の1回」返送するだけで、次回以降は自動振込になる
- 食費や部屋代(居住費)、住宅改修費などは対象外となるため領収書の内訳を確認する
1. 高額介護サービス費とは?知らなきゃ損する公的還付制度
在宅介護でデイサービスやショートステイを多く使ったり、特別養護老人ホームなどの施設に入居していると、月々の介護保険サービスの自己負担(1〜3割)が数万円単位に膨らむことがあります。
そうした家計の過重な負担を抑えるために国が設けているのが「高額介護サービス費」です。
同じ月に支払った介護サービス費用の自己負担合計額が、所得に応じて定められた「自己負担上限額」を超えた場合、その超えた差額分が市区町村から後日指定口座に払い戻されます。
※医療保険の「高額療養費制度」の介護保険版と考えると分かりやすいでしょう。
2. あなたの上限額はいくら?所得区分別の自己負担上限表
自己負担上限額は、世帯の所得水準(課税状況や年金収入)によって細かく分かれています。
| 所得区分 | 対象となる世帯条件 | 月額自己負担上限 |
|---|---|---|
| 現役並み所得者(高所得) | ・年収約1,160万円以上 ・年収約770万〜1,160万円 ・年収約383万〜770万円 |
・140,100円/月 ・93,000円/月 ・44,400円/月 |
| 一般世帯(課税世帯) | 住民税が課税されている一般的な世帯(多くの方がここに該当) | 44,400円/月 (世帯合算) |
| 住民税非課税世帯 | 世帯全員が住民税非課税で、年金収入等が年80万円超〜 | 24,600円/月 (世帯合算) |
| 非課税・低所得世帯 | 世帯全員が住民税非課税で、年金収入等が年80万円以下 | 15,000円/月 (個人ごと) |
| 生活保護受給者 | 生活保護受給者または老齢福祉年金受給者 | 15,000円/月 (個人ごと) |
3. 対象になる費用・対象外の費用(要注意!)
支払った費用の「すべて」が合算対象になるわけではありません。対象となるもの・ならないものを明確に把握しておきましょう。
- 【対象になる費用】:
・デイサービス、訪問介護、訪問看護、ショートステイなどの「介護保険給付対象サービスの自己負担額(1〜3割)」
・特養・老健・介護付き有料老人ホームで支払う「施設介護サービス費の自己負担分」 - 【対象外の費用(合算できない)】:
・施設やショートステイ、デイサービスでの「食費・おやつ代」
・施設の「居住費(部屋代)・光熱水費」や日用品代
・住宅改修費(手すり設置等)や、特定福祉用具購入費(ポータブルトイレ・入浴用具等)の自己負担分
・介護保険の支給限度額を超えて全額自費で利用したサービス費
4. 申請手順の3ステップ(初回1回でずっと自動振込!)
高額介護サービス費は、一度申請すれば次回以降の手続きは一切不要になる非常に便利な仕組みになっています。
- 役所から「支給申請書」が届くのを待つ:
利用した介護保険サービスの費用が上限を超えた場合、利用月の約2〜3ヶ月後に、親が住民票を置く市区町村役場から「高額介護サービス費支給申請書」が郵送で自宅に届きます。自分で領収書を集めて計算する必要はありません。 - 振込先口座情報・マイナンバー等を記入して返送する:
申請書に払い戻しを受け取る銀行口座情報(本人名義口座が原則)を記入し、必要書類(本人確認書類のコピー等)を添えて返信用封筒で投函します。 - 指定口座に還付金が振り込まれる(以降は完全自動化):
初回申請が完了すると、1〜2ヶ月後に「支給決定通知書」が届き口座に振り込まれます。そして翌月以降も上限を超えた月があれば、申請なしで自動的に同じ口座へ振り込まれ続けます。
まとめ:申請期限は2年!通知書が届いたら放置せず即返送しよう
高額介護サービス費の申請期限(時効)は「利用した月の翌月1日から2年間」です。
「役所から何か手紙が届いていたけれど、よく分からなくて放置していた」という方は、過去2年分であれば遡って還付を受けることができます。
通知が届いたら後回しにせず、すぐに口座を記入して返送しましょう。

