過去5年分さかのぼって数十万円取り戻す!『障害者控除対象者認定書』を使った更正の請求(還付申告)完全実務

この記事のポイント(30秒で把握)
  • 要介護認定(要介護1〜5)を受けている親は、障害者手帳がなくても「障害者控除(27万円〜40万円)」の対象になる:市区町村が発行する「障害者控除対象者認定書」を取得すれば、親本人または扶養している子の税金が大幅に安くなります。
  • 過去に控除を忘れていても「過去5年分」さかのぼって還付請求(更正の請求)が可能:5年分まとめて手続きすれば、所得税と住民税を合わせて十数万〜数十万円の現金が戻ってくるケースが珍しくありません。
  • 自治体の窓口で「過年度分の認定書」もまとめて遡及発行してもらえる:過去の要介護認定記録が役所にデータ保存されているため、今からでも5年分の証明書を取り寄せられます。
  • 認定基準の目安や今年分の通常申請手順は「総合ガイド記事」で確認:要介護度別の対象基準(普通障害者・特別障害者)は別記事で詳しく解説しています。

1. 5年分まとめて数十万円が戻る!「障害者控除の遡及還付(更正の請求)」とは

「親が4年前から要介護3の認定を受けていたのに、市区町村の『障害者控除対象者認定書』という制度を全く知らず、会社の年末調整や確定申告で一度も障害者控除を入れていなかった…」

実はこのケース、諦める必要は一切ありません。税法(国税通則法)の規定により、控除の適用漏れがあった場合は「法定申告期限から5年以内」であれば、過去にさかのぼって税金の還付を請求する手続き(更正の請求・還付申告)が認められています。

要介護認定を受けた高齢者の多くは、自治体に申請することで「障害者(控除額27万円)」または「特別障害者(控除額40万円・同居なら75万円)」と認定されます。過去5年分をまとめて取り戻した場合の還付金目安を見てみましょう。

認定区分(目安) 1年あたりの所得控除額
(所得税/住民税)
子の年収600万円(税率合計30%想定)の場合の【5年分合計還付目安】
普通障害者
(目安:要介護1〜2程度)
所得税:27万円
住民税:26万円
年間 約8万円軽減 × 5年分
= 約40万円の還付・減税
特別障害者(別居扶養)
(目安:要介護3〜5程度)
所得税:40万円
住民税:30万円
年間 約11万円軽減 × 5年分
= 約55万円の還付・減税
同居特別障害者
(要介護3〜5かつ同居)
所得税:75万円
住民税:53万円
年間 約20万円軽減 × 5年分
= 約100万円の還付・減税

2. 【Step 1】まず自治体の窓口で「過去5年分の障害者控除対象者認定書」を取得する

税務署へ還付申告を行う前に、まずは親の住民票がある市区町村の介護保険課(または高齢福祉課)で、過年度分の認定書を発行してもらう必要があります。

手順 1
親がいつから要介護認定を受けていたか確認する
過去の介護保険被保険者証を見返すか、役所窓口で「何年何月から要介護1以上だったか」を照会してもらいます。各年の「12月31日時点(年途中に死亡した場合は死亡日時点)」で要介護状態であれば、その年の控除対象になります。
手順 2
窓口で「令和◯年分〜令和◯年分の認定書」をまとめて申請する
申請書の対象年欄に、さかのぼりたい年分(最大5年分)をすべて記入して提出します。自治体側には過去の認定調査票や主治医意見書の電子データが残っているため、過去の各年12月31日時点の判定基準に照らして、過年度分の「障害者控除対象者認定書」を複数枚発行してくれます(発行手数料は原則無料)。

3. 【Step 2】税務署へ「更正の請求書(または還付申告書)」を提出する実務手順

手元に過去数年分の「障害者控除対象者認定書」が揃ったら、税務署へ手続きを行います。過去に確定申告をしていたかどうかで書類の名称が異なります。

あなたのパターン別・税務署への提出手続き
  • パターンA(会社員で年末調整のみ行い、確定申告をしていなかった年):
    → 通常の「確定申告書(還付申告)」をその年分ごとに作成して提出します。
  • パターンB(医療費控除やふるさと納税などで既に確定申告書を提出していた年):
    → 確定申告の内容をやり直す「所得税及び復興特別所得税の更正の請求書」を作成して提出します。

【必要書類とe-Taxでの簡単作成法】
1. 該当する過去各年分の「源泉徴収票」(または過去の確定申告書控え)
2. 市区町村から交付された「障害者控除対象者認定書」(各年分)
3. 還付金を受け取る本人名義の銀行口座情報・マイナンバーカード
国税庁のWebサイト「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、「過去の年分の申告書等の作成」または「更正の請求書・修正申告書の作成」を選べば、画面の案内に従って障害者控除にチェックを入れるだけで自動計算され、自宅からe-Taxまたは郵送で提出できます。

4. いつ振り込まれる?所得税の還付と「住民税の自動減額通知」のタイムラグ

税務署へ更正の請求(または還付申告)を行うと、以下の2段階で税金が戻ってきます。
・① 所得税の還付金(約1ヶ月〜1ヶ月半後):税務署での審査完了後、「国税還付金振込通知書」のハガキが届き、指定した銀行口座へ5年分の所得税還付金が一括で振り込まれます。
・② 住民税の還付(約2〜3ヶ月後):税務署から居住地の市区町村へデータが自動連携されるため、別途役所へ住民税の申告をする必要はありません。後日、市区町村から「住民税の税額変更通知書兼還付通知書」が届き、過去の住民税過払い分が口座へ還付されます。

5. 障害者控除対象者認定書の基準や通常の申請手順は「総合ガイド記事」で確認

自分の親の要介護度で「普通障害者」になるのか「特別障害者」になるのか、具体的な自治体の審査基準や今年分の申請フローについては、当サイトの総合ガイド記事をご確認ください。

あわせて読みたい総合ガイド
要介護1〜5ごとの障害者控除対象者認定書の交付基準、寝たきり度・認知症自立度の判定目安は以下の完全解説記事をご覧ください。

👉 【完全ガイド】身体障害者手帳がなくても要介護認定で税金が安くなる!「障害者控除対象者認定書」の申請手順

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